たんぽぽ舎です。【TMM:No4427】地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします

たんぽぽ舎です。【TMM:No4427】

2022年3月11日(金)地震原発事故情報-

             2つの情報をお知らせします

                      転送歓迎

このメールでは、山崎久隆氏の翻訳「IAEAの報告」2つのみを

掲載いたします。

 1.IAEA第15報(2022/3/9)

 2.IAEA第16報(2022/3/10)

━━━━━━━ 

★1.保障措置システムの停止

  チェルノブイリ原発は依然として交代不可状態

  IAEA第15報からの情報提供

★2.チェルノブイリ原発で外部電源喪失

  IAEA保障措置システムからのデータ伝送が遮断

  ザポリージャ原発もデータ遮断され外部電源も一部損傷

  IAEA第16報からの情報提供

━━━━━━━ 

※明日です!

 3/12(土)小倉利丸さん実践講座第3回-個人情報を守るために-

 「ネットで情報収集『検索』のその先を工夫する」

 お 話:小倉利丸さん

日 時:3月12日(土)13時30分より16時 開場13時

会 場:「スペースたんぽぽ」

 参加費:800円 予約必要です。定員25名。

     たんぽぽ舎あて 電話 03-3238-9035か

     メール tanpopo3238@gmail.com で、ご氏名と電話番号を

     お知らせ下さい。受付番号をお知らせいたします。

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※3/14(月)天野惠一さん連続講座第1回

 「原発と原爆の戦後社会史-【運動/思想】史から振り返る」

 お 話:天野惠一さん   …第2月曜です…

日 時:3月14日(月)14時より16時30分

会 場:「スペースたんぽぽ」

 参加費:800円 予約必要です。定員25名。

     上記と同じ方法です。第2回は4月11日(月)14時より

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※動画アップの紹介 三輪祐児さんのユープランより

・安田節子さん6回連続講座の第2回

20220307 UPLAN 安田節子「子どもの健康と農薬汚染 その1」

https://www.youtube.com/watch?v=DighQUjH_IM

・20220228 UPLAN 外村大「日本の植民地支配は何をもたらしたか?

反日種族主義」を読む

https://www.youtube.com/watch?v=AU391A7phyk

・20220226 UPLAN たんぽぽ舎33周年記念講演

 木原壯林「老朽原発このまま廃炉!関西、若狭での闘いと今後」

 横関彩子「東海第二原発の再稼働はいやだ」

https://www.youtube.com/watch?v=gHoDIBoFkXg

・20220222 UPLAN 長沼宗昭「いま日本大学で何が起きているのか:

 日本の私立大学が抱える諸問題」

https://www.youtube.com/watch?v=NV7oJsHnIV0

広瀬隆二酸化炭素によって地球が温暖化しているという説は

 科学的にまったく根拠がないデマである」

 20220127 UPLAN 【総集編・全編6時間】

https://www.youtube.com/watch?v=K14tki8e2Ck

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┗■1.保障措置システムの停止

 | チェルノブイリ原発は依然として交代不可状態

 | IAEA第15報からの情報提供

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

◎ IAEAの「最新情報15-ウクライナ情勢に関するIAEA事務

局長声明」が日本時間3月9日早朝にサイトに登録されましたので、

その抄訳です。

 この報告では、チェルノブイリ原発の210名のスタッフ、放射性物質

管理と警備要員とされていますが、これが依然として交代できていない

ことが書かれています。

 思い出すのは、そろそろ11年たつ福島第一原発事故の時に、現地に

残ったスタッフ、当初は700名ほどでしたが、その後危機的状況が

悪化した際に、退避命令が出て「福島フィフティ」と後日呼ばれる

ことなった50名(実際には69人)が残り、最後の時を迎えようと

していました。

 結果的に使用済燃料プールの冷却に成功し、最悪の事態は回避

できたのですが、それは設備の不備(プールゲートの予期せぬ決壊で

使用済燃料プールへ大量の水が流れ込んだために予測よりも長く

冷却できた)という僥倖に過ぎないものでした。

◎ チェルノブイリ原発が今どうなっているのかはわかりませんが、

気になるのは「セーフガード・モニタリング・システム」からの

データが来なくなっているという点です。

 このセーフガードとは「保障措置」のことで、いわゆる「核物質の

兵器転用」を阻止するために行われている監視システムのデータを

指すと思われます。

 これが監視しているのは、チェルノブイリ原発の場合は残留している

放射性物質や核燃料だと思われますが、保障措置システムの停止により

現状がどうなっているのかが分からないということです。

 これは、安全性だけでなく政治的にも極めて危険な状況と思われます。

◎ ロシア軍に制圧された状況下では、この物質が動かされたり

何らかの方法で武装化されていても分からないということを意味

するからです。

 プーチン大統領が「ウクライナ核武装やダーティボム(核物質を

拡散させる「汚い爆弾」)を作っている」と繰り返し述べてきました。

 これが軍事侵攻の理由とさえ主張していたことを考えると、IAEA

のシステムを破壊して証拠をねつ造することを画策しているのでは

ないかと疑います。

 思い返せば、2003年に米国が突如始めたイラク攻撃は、まさしく

大量破壊兵器を製造している証拠がある」と当時のフセイン政権を

非難し、打倒する目的で始めています。

 その後、イラク大量破壊兵器の製造などはしておらず、米国の

でっち上げであったことが明らかになり、当時国連で演説までした

パウエル国務長官はその後、騙されていたと告発しています。

 しかしその刑事責任を追及されたものはいません。

 20年近く経った今、ロシアが全く同じ事をウクライナに行おうと

しているのではないかと疑うのです。

以下、「最新情報15-ウクライナ情勢に関する

IAEA事務局長声明」より

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-15-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine

 ウクライナチェルノブイリ原発の安全管理の緊急性と重要性が

増していると、国際原子力機関IAEA)に本日語った。ロシア軍が

ほぼ2週間前にチェルノブイリ原発支配下に置いて以来、そこで

働いている約210名の技術要員と警備員を交替させるべきだとグロッシ

事務局長は強調した。

 ウクライナの稼働中の原発の職員が定期的に交代している現状とは

対照的に、チェルノブイリ原発では、1986年の事故現場にロシア軍が

入った前日の2月24日から同じシフトが勤務しており、事実上、過去

13日間そこで生活している、と規制当局は述べた。

 また、ウクライナの監督当局は、スタッフは限られた量の食料や水、

医薬品しか確保できていないと付け加えた。一方、職員の状況は悪化

しており、IAEAに対して現在の要員を交代させ、実効的な交代制を

提供していく計画を作成し、そのために必要な国際的支援を行うよう

要請した。 【中略】

 ウクライナの規制当局は、チェルノブイリ原発での核物質の取り扱い

は当分の間停止しているとしている。

 立ち入り禁止区域にある敷地内には、廃止された原子炉や放射性

廃棄物処理施設がある。規制当局は、電子メールでしか原発と通信

できなくなったと述べた。  【中略】

 また、チェルノブイリ原発に設置された保障措置監視システム(

セーフガード・モニタリング・システム)からの遠隔データ伝送が

失われたことも指摘した。

 IAEAは、ウクライナの他の場所における保障措置監視システムの

状況を調査しており、近いうちにさらなる情報を提供する予定である。

 注:「保障措置」とは、核物質、設備、施設、情報等が、核兵器

 製造等の軍事目的に転用されないことを確保するための

 措置である。(IAEA憲章第3条A.5.)

※≪事故情報編集部≫より

 この文章は、3月9日受信です。

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┗■2.チェルノブイリ原発で外部電源喪失

 | IAEA保障措置システムからのデータ伝送が遮断

 | ザポリージャ原発もデータ遮断され外部電源も一部損傷

 | IAEA第16報からの情報提供

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

◎ チェルノブイリ原発では、IAEAの保障措置システムのデータ

転送ができなくなり、使用済燃料を含む放射性物質の状態がつかめなく

なりました。

 さらに、外部電源を喪失し、放射線測定システムや使用済燃料冷却

系統などは非常用ディーゼル発電機による48時間の制限付き電源により

賄われているようです。

◎ ウクライナは原因をロシア軍による攻撃であるとし、一方ロシアは

ウクライナの攻撃によるものであるとしています。(タス通信より)

 また、IAEAによると、チェルノブイリ原発ザポリージャ原発

から、保障措置システムからのデータ転送が停止しているようです。

 これは、IAEAと各国が結ぶ保障措置協定に基づく、核物質の軍事

転用や核兵器開発を防止するための仕組み。

 チェルノブイリ原発からのデータ転送が遮断されていることを

第15報でIAEAは伝えていましたが、こんどはザポリージャ原発

からも遮断されたということで、意図的に行われている可能性が

あります。

◎ また、ザポリージャ原発には外部電源系統が常用4つと予備1つ

あるようですが、そのうち常用2系統が遮断されたとのこと。

 福島第一原発事故でも、外部電源の喪失が津波到達後にあらゆる

電源システムが機能しなくなった原因で、外部電源系統が一系統でも

生きていたら、津波被害を受けていてもメルトダウンは回避できたの

ですが、そのことが証明されるのは女川原発、東海第二原発、福島第二

原発福島第一原発のようにならなかった事からもわかります。

 それほど重要な外部電源5系統の内2系統が破壊されたことは、

安全性を大きく低下させていると言え、大問題です。

 IAEAの第16報の抄訳を紹介します。

「最新情報16-ウクライナ情勢に関するIAEA事務局長声明」抄訳

 ロシア軍が1986年の事故現場の支配権を握ってから2週間たって、

チェルノブイリ原発は送電網から遮断され、外部電力供給が喪失したと

ウクライナ政府は本日、国際原子力機関IAEA)に通告したと

グロッシ事務局長は述べた。

 ウクライナ情勢の安全、セキュリティ及び保障措置の影響に対処する

目的で3月2日に開催されたIAEA理事会において事務局長は、「

全ての原子力施設に対する電力供給網からの外部電源の確保」が、

原子力安全及び核セキュリティの7つの不可欠な柱の一つである

として、この事態への深い憂慮を表明した。

 ただしIAEAは、チェルノブイリ原発の場合、送電網からの遮断は

様々な放射性廃棄物管理施設が設置されている施設の本質的な安全機能

に重大な影響を与えないと、ウクライナ規制当局との間で一致している

と述べた。

 すなわち、敷地内の使用済燃料貯蔵施設については、プール内の

冷却水の量は、電力を供給することなく使用済燃料からの効果的な

熱除去を維持するのに十分である。また、ディーゼル発電機や

バッテリーを備えた非常用電源も備えている。

 しかしながら、電力不足は、現場における運用上の放射線安全性の

さらなる悪化につながり、約210名の技術専門家と警備員が過去2週間に

わたり交代勤務できず、事実上24時間そこに居住していることに、

さらなるストレスを生む可能性がある、とグロッシ事務局長は

付け加えた。

 「チェルノブイリ原発では、特に放射線に対する安全のため、非常に

困難で厳しい状況下で施設を管理するスタッフにとって、日ごとに

状況が悪化しています」と彼は述べた。

 「内部放射線防護手順を尊重し、職員の安全な交代を円滑化し、

さらに安全を確保するためにその他重要な措置をとるよう、発電所

実効支配している軍隊に緊急に要請を繰り返している」。

 また、別の動きとして、IAEAはここ数日、チェルノブイリ原発

核物質を監視するために設置された保障措置システムからの遠隔データ

伝送を喪失し、現在ロシア軍が管理しているザポリージャ原発からの

データ送信も喪失したと述べた。

 大量の使用済核燃料や新燃料、そのほか各種放射性物質が存在する

施設から、IAEAのウィーン本部に送られるデータの流れが突然

遮断されたことを懸念していると、彼は述べた。

 保障措置データの伝送が中断した理由は、すぐにはわからなかった。

 IAEAは、他の3箇所の原発を含むウクライナ原子力施設から

継続して当該データを受け取っている。

 「世界各地の原子力施設にあるIAEA保障措置装置からの遠隔

送信は、ウクライナをはじめ世界中でのIAEAの保障措置実施の重要

な構成要素である」と彼は述べた。「これらのシステムは、全ての原発

を含む、ウクライナの数ヵ所の施設に設置されており、査察官が立ち

会っていないときに、これらの施設での放射性物質と活動を監視する

ことを可能にしている。」

 また、データを確実に現地で保管するための技術的な機能はあるが、

監視システムのストレージ容量や稼働状況(訳注:後日確認できるよう

にデータを保存しているハードディスクやそれを制御するシステムなど

を指すと思われる)は依然として不明だという。

 IAEAは、セーフガード技術措置によって、各国が平和的目的の

ためにのみ核物質及び技術を使用するという、国際的な法的義務(

訳注:核拡散防止条約に伴う各国とIAEAの間で結ばれる保障措置

協定に基づく)を遵守していることを検証している。

 また、ウクライナ原発の稼働状況については、ザポリージャ原発

2基を含む、同国の15基の原子炉のうち8基が稼働を続けていると

している。放射線の測定値は正常だった。

 ザポリージャ原発の敷地内には、4本の高圧(750kV)外部電源回線

と1本の予備電源回線がある。運転員はIAEAに対し、2本が損傷

しているため、現在2本の送電線と待機中の1本が発電所で使える状態

であることを報告した。

 発電所の外部電源需要は、利用可能な1本の電力線で供給できる

とも、この事業者は述べた。さらにディーゼル発電機も予備電力を

供給する準備ができており、機能している。

 「しかし、これは、すべての原子力施設への電力網からの外部電源を

確保できるという安全の柱が危険にさらされているもう一つの例」と

グロッシ事務局長は述べた。

 また、6号機については、3月4日の事態を受けて、冷却系の損傷が

発見されたことから、運転を停止して緊急修理を行っているとの

報告があった。

※≪事故情報編集部≫より

 この文章は、3月10日受信です。

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