たんぽぽ舎です。【TMM:No4431】
2つの情報をお知らせします
転送歓迎
このメールでは、山崎久隆氏の翻訳「IAEAの報告」3回分を
掲載いたします。
1.【IAEA第17報】(2022/3/10)と
【IAEA第18報】(2022/3/11)
2.【IAEA第19報】(2022/3/12)
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福島第一原発事故と同様に交代できない職員が苦闘
3/10【IAEA第17報】と3/11【第18報】
非常用ディーゼル発電機の燃料が輸送された
3/12【IAEA第19報】抄訳
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※3/17(木)上映会にご参加を
「若きハルサーたちの唄−島がミサイル基地になるのか」
(湯浅雅典監督のトークあります)
日 時:3月17日(木)19時より21時
会 場:「スペースたんぽぽ」
参加費:800円 (学生400円) 予約必要です。定員25名。
たんぽぽ舎あて 電話 03-3238-9035か
メール tanpopo3238@gmail.com で、ご氏名と電話番号を
お知らせ下さい。受付番号をお伝えいたします。
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※3/26(土)後藤政志さんの講座「福島第一原発事故の技術的教訓」
お 話:後藤政志さん(元東芝原子炉格納容器設計者)
日 時:3月26日(土)13時30分より16時30分
会 場:「スペースたんぽぽ」 講師のお話は14時30分より
参加費:800円 (学生400円)定員25名。
予約必要です。3/17と同じ方法です。
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※3/29(火)孫崎享さんの「ウクライナ情勢」については、定員に
達したため予約受付を終了しました。
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※動画アップの紹介 三輪祐児さんのユープランより
・20220311 UPLAN 第102回東京電力本店合同抗議行動
https://www.youtube.com/watch?v=vumbrlyOLmI
・安田節子さん6回連続講座の第2回 20220307 UPLAN 安田節子
「子どもの健康と農薬汚染 その1」
https://www.youtube.com/watch?v=DighQUjH_IM
・20220228 UPLAN 外村大「日本の植民地支配は何をもたらしたか?
「反日種族主義」を読む
https://www.youtube.com/watch?v=AU391A7phyk
・20220226 UPLAN たんぽぽ舎33周年記念講演
横関彩子「東海第二原発の再稼働はいやだ」
https://www.youtube.com/watch?v=gHoDIBoFkXg
・20220222 UPLAN 長沼宗昭「いま日本大学で何が起きているのか:
日本の私立大学が抱える諸問題」
https://www.youtube.com/watch?v=NV7oJsHnIV0
科学的にまったく根拠がないデマである」
20220127 UPLAN 【総集編・全編6時間】
https://www.youtube.com/watch?v=K14tki8e2Ck
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| 福島第一原発事故と同様に交代できない職員が苦闘
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
☆ 3月10日の【IAEA第17報】と3月11日の【第18報】を
合わせて 紹介します。
◎ ザポリージャ原発は現在のところ二基が運転中で、電力も供給され
ていると見られます。
しかしながらチェルノブイリ原発では、電力復旧はベラルーシの外部
電源が復旧したと報じられていますが、依然として電力供給は出来て
いないと見られます。
また、核物質防護にも大きな影響を与えるIAEA保障措置システム
の停止は、ザポリージャ原発では回復した者のチェルノブイリ原発では
未だ復旧していないとのこと。
さらに、発電所職員の勤務交代が出来ず、同じ人がずっと勤務を
続けているといいますから、過酷です。
◎ 条件は異なりますが、地震と津波、さらに爆発にまでさらされ、
長期間交代メンバーが到着しなかった東電福島第一原発事故を
思い出します。
3基がメルトダウンし、1基が爆発で破壊された福島第一原発事故と
同様の厳しい状態にウクライナの原発が置かれている現状であると
したら、11年も経て、今ウクライナで福島第一原発事故が再現されて
いると思えて仕方がありません。
おそらく、福島第一原発事故に遭遇し、死を覚悟した職員と同様に、
死を覚悟しながら放射能汚染を再び繰り返すまいと勤務している
ウクライナの労働者の置かれている状況に、胸が痛みます。
以下、抄訳です。
☆ 3/10【IAEA第17報】抄訳
◎ ロシアが管理下に置いたチェルノブイリ原発が外部電源を喪失した
翌日、ウクライナ政府は国際原子力機関(IAEA)にチェルノブイリ
原発からのあらゆる連絡が途絶えたと伝えた。グロッシ事務局長が
明らかにした。
また、事務局長は電力が復旧したという報告も把握しており、
確認を求めていると述べた。
通信途絶前の情報によれば電力線は損傷しており、送電網から遮断
されているという。
電力供給のため非常用ディーゼル発電機の燃料を継続輸送する必要
がある。
電力は使用済核燃料や水質管理、化学水処理など安全上重要な
システムに供給されており、一方、放射線監視や換気システム、通常の
照明などの機能が維持できない。
◎ しかしながら第16報で報告されたように、使用済燃料施設の
冷却水の量は、電力供給がなくても自然循環状態でも熱除去を維持
するのに十分であり、送電網遮断は様々な放射性廃棄物の管理施設が
ある原発の本質的な安全機能には、重大な影響を及ぼさない。
◎ 規制当局による使用済燃料貯蔵施設の安全分析報告書は、
ディーゼル発電機などの非常用電源から供給される電力を含む全電力
喪失の場合「本質的な安全システムへの影響はない」と結論づけたと
述べた。
また、使用済燃料貯蔵プールの構造及び系統に損傷がなく、本来の
機能が維持されていることも確認できた。
非常用電源が失われた場合でも、使用済み燃料プールの水位と温度を
監視することは可能だと当局は述べた。
しかし、施設内の換気が不十分なため、放射線安全状況が悪化して
いる中で作業を実施することになる。また、運転時の放射線安全手順
に従うことも今はできない。
◎ 2月24日にロシア軍が制圧した前日から、交代することができて
いない。
チェルノブイリ原発の職員の状況の悪化と疲弊について、事務局長は
警鐘を鳴らした。
変更はない。
このサイトには、4本の高圧送電線(750kV)の外部電力と、待機
状態の電力線がある。4本のうち2本が破損しているため、現在は
2本の電源ラインに加えて1本が待機状態だ。
事業者は、原発が必要とする電力は、一系統の電力線で十分供給
できるとIAEAに伝えている。さらに、ディーゼル発電機は予備
電力を供給する準備ができており、待機している。
◎ しかし、同プラントのもう一つの課題として、現状では、必要な
予備部品や設備、専門職員を現地に派遣して計画的な修理を行うこと
ができず、1号機の補修作業は、プラントの運転手順書で要求される
最低限のレベルまで減らされている。
第16報で報告された、チェルノブイリ原発及びザポリージャ原発の
放射性物質及び活動を監視するために設置された保障措置システムから
の遠隔データ伝送の喪失に関して、IAEAはこれらの設置された
監視システムとの通信を再確立することができていない。
☆ 3/11【IAEA第18報】抄訳
◎ ウクライナ当局は、ロシアが支配するチェルノブイリ原発の敷地へ
の外部電力供給を復旧するため、損傷した電力線の修理を開始した
ことを国際原子力機関に報告したと、グロッシ事務局長は本日
発表した。
3月10日の夜に始まった作業で一区画の修理には成功したが、まだ
電力は供給されておらず、その他の場所も損傷があることを示している
と規制当局は述べた。原発敷地外の厳しい状況にも関わらず、修復作業
は継続するという。
非常用ディーゼル発電機は3月9日から現場に予備電力を供給して
おり、規制当局は施設に新たな燃料が供給されたと報告した。
しかし、電力線の早期修復は極めて重要である。
◎ また、チェルノブイリ原発を管理する上での課題に加えて、規制
当局と現地の通信は3月10日に切断された。
その結果、施設での放射線モニタリングに関する情報をIAEAに
提供することが不可能となった。
それでも、規制当局は、発電所の敷地外の上級管理者を通じて、
現地の状況に関する情報を引き続き受け取っている。 (中略)
◎ チェルノブイリ原発の職員はますます困難な状況に直面している。
211人の技術要員と警備員は、実質的に2週間以上現場で暮らしている
と当局は述べ、食糧備蓄の確保についても、懸念を表明した。(中略)
ザポリージャ原発では、ロシア軍が6基の原子炉を有するウクライナ
最大の原発を制圧した3月4日の事件の後、損傷した訓練センターや
他の場所で見つかった不発弾を探知し、処理する作業が進行中であると
規制当局は述べた。
また、工場を運営するスタッフは日常業務に支障をきたすことなく、
通常のスケジュールに従って交代勤務をしているという。
しかし他国の軍隊が存在することは、労働者の士気に影響を与え、
プレッシャーとなっていると付け加えた。
ハリコフ市では、以前にも被害を受けた原子力研究施設が、さらに
被害を受けたと当局は述べた。この施設は、医療および産業用途のため
の研究開発および放射性同位元素製造に使用されていた。
核物質は未臨界であり、放射性物質の保有量は非常に少ないため、
IAEAは損傷が放射線学的影響を及ぼさないであろうと推定した。
◎ とはいえ、IAEAは武力衝突の際にウクライナの核施設が直面
するリスクを改めて強調し、同国の核のセキュリティを確保することを
目的としたグロッシ事務局長の取り組みの緊急性を強調した。
◎ また、ウクライナの原発稼働状況については、ザポリージャ原発
2基、リヴネ3基、フメリニツキー1基、南ウクライナ2基など、
15基の原子炉のうち8基が稼働を続けているとした。
放射線量は正常だった。
更新16で報告された、放射性物質や原発の活動を監視するために
設置された保障措置システムからの遠隔データ送信の部分的喪失に
関して、IAEAは、ザポリージャ原発からは復旧したが、チェルノ
データ転送には一定の問題があったと述べた。
※≪事故情報編集部≫より
この文章は、3月13日受信です。
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| 非常用ディーゼル発電機の燃料が輸送された
| 3/12【IAEA第19報】抄訳
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
3月12日の【IAEA第19報】を紹介します。
日本時間12日土曜日の時点のIAEA声明から一部を紹介します。
この段階では、チェルノブイリ原発に電力が戻り、それをIAEAが
確認しています。
ロシア側は現地に技術者を送ったとしていますが、接収したことに
ついては否定しているようです。
☆ 3/12【IAEA第19報】抄訳
◎ ウクライナ規制当局は国際原子力機関に対して、ロシアが国営企業
ロスアトムの管理のもとでザポリージャ原発の完全かつ恒久的な管理を
行う計画であると伝えた、と、グロッシ事務局長は述べた。
これについては、後にロシア政府が否定した。
◎ ウクライナの原発を運営するエネルゴアトムのペトロ・コティン
社長は事務総長への書簡で、約400名のロシア兵が「敷地内に常時
滞在している」と述べ、原発がロシア軍司令官の管理下にあることを
確認した。
その上、発電所の管理者は、技術的な問題を含む、運用上の問題に
ついては全てロシア軍と調整する必要があると述べた。原発の職員は
定期的に交代していることが確認され、ロシアの技術者が数日前に現地
の放射線状況を評価するために現地に到着したことを
付け加えた。(中略)
3月12日早朝に行われたグロッシ事務局長との電話会談で、ロス
アトムのアレクセイ・リハチョフ最高経営責任者は、ザポリージャ原発
に少数の同社専門家がいることを認めたが、ロスアトムが操業管理を
行っていることも、発電所をロスアトムの「管理体制」の下に置く
ことを意図しているとの指摘も否定した。
◎ ウクライナ規制当局は、今日の定期的な技術的報告で、
IAEAに語った。
ここには高圧送電線(750kV)の外部電源系統が4回線あり、さらに
予備として1回線ある。4回線のうち2回線が破損している。
事業者は、原発の外部電源として必要となる電力は、回線1本で
供給できることをIAEAに報告した。ディーゼル発電機も予備電力を
供給する準備が整い待機している。
ロスアトムのリハチョフCEOは、現場の電力供給状況を確認し、
停電した送電線を復旧する作業は行っているが、既存の電力供給を
危険にさらすことにはならないため、予備ディーゼル発電機用の追加
燃料供給が必要になった場合に備えて導入されると述べた。
また、同工場の他の備品も納入されるだろうと付け加えた。
◎ なお、ロシア政府は、本日IAEAに対し、「ザポロジスカヤ(
ザポリージャのこと)及びチェルノブイリ原発の管理及び運転は、ウク
ライナの運転要員が行っている。ロシアの専門家数名からなるグループ
が協議の上で支援を行っている。
技術支援の枠組みの中で、原発の安全かつ安定した運転を確保する
上で、発電所での最優先課題が決定されている。
また、ロシアの専門家の協議の上で、チェルノブイリ原発の電力供給
の復旧及びザポロジスカヤ原発の核物質防護システムの復旧が現在
実施されている。
ために行っている措置を実施する一方で、IAEAとの緊密な連携を
維持している」と正式に通知した。(中略)
◎ ウクライナ規制当局は、チェルノブイリ原発の状況について、
損傷した送電線を修復する努力は続けられているが3月9日以降、電力
供給は停止したままだと述べた。
1986年の事故現場の使用済み燃料貯蔵施設を含む安全に関連する
システムにディーゼル発電機が引き続きバックアップ電力を供給して
おり、3月11日に追加燃料の搬入があったという。
◎ 今日行われたグロッシ事務局長との電話会談の中で、ロスアトムの
リハチョフCEOは新たなディーゼル燃料輸送に関する情報も提供し、
近くのベラルーシからチェルノブイリ原発に電力線を延長することも
できると述べた。ロスアトムの複数の専門家が現地に
いるという。(中略)
また保障措置に関しては、今週の数日間、IAEA本部に伝達する
ことができなかったザポリージャ原発の全データを回収することが
できたことを確認した。
チェルノブイリと南ウクライナの現場に関する新しい進展はない。
◎ 以下に、ウクライナ規制当局のツイッター情報も付け加えます。
電力系統では、ザポリージャ原発の2基が稼働している。3月7日
から、6号機が緊急修理を開始した。その理由は、ロシア軍による砲撃
で損傷したこと。原発サイトおよび周辺地域の放射線の状況変化は
記録されていない。
高圧送電線のうちザポリージャと南ドンパスを結ぶ回線は損傷により
切断されたまま。
原発に近接したエネルゴダールの町の店舗には食料を搬入すること
はできない。物資は1日分のみ残っているという。
※≪事故情報編集部≫より
この文章は、3月15日受信です。
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