たんぽぽ舎です。【TMM:No4093】地震と原発事故情報−5つの情報をお知らせします

たんぽぽ舎です。【TMM:No4093】

2020年12月2日(火)地震原発事故情報−

             5つの情報をお知らせします

                      転送歓迎

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★1.「コロナ対策」のため「原子力防災」は崩壊した

   新型コロナウイルス感染症原子力防災

   原発事故時には「感染症」と「放射性物質」の

   二重の防護が必要になる

            山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

★2.原発事故被災地 紙上ツアー

   「その11」富岡町3〜大熊町福島第一原発 (下)

   中間貯蔵場が最終処分場にされる危険

   収束作業は出たとこ勝負の綱渡り

   汚染水放出は風評被害ではなく

   放射能による人体と環境への実害

               遠藤智生(あぶくま97条の会)

★3.『開発と公害』生越忠・責任編集

   第63号(地下原発特集号)1993年9月発行

   在庫が10数冊あります

   ご希望の方には送料のみで発送できます

★4.東京電力、「時効後も賠償請求に応じる方針を

   次期事業計画に」明記へ 福島第一原発事故10年で…

   メルマガ読者からの原発等情報1つ(抜粋)

                 黒木和也 (宮崎県在住)

★5.新聞より1つ

  ◆核のごみの持ち込み拒否条例、黒松内(くろまつない)町と

   蘭越(らんこし)町も 町議提案検討 寿都町の動きけん制

             (12月2日「北海道新聞」より抜粋)

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※12/8(火)杉原浩司さん学習会のご案内

 「先制攻撃する自衛隊」でいいのか

 軍産複合体の擁護者たちを批判する

 平和外交を不断に進めることこそが重要

 お 話:杉原浩司(すぎはら こうじ)さん

      〔武器取引反対ネットワーク(NAJAT)代表〕

 日 時:12月8日(火)19時より21時  

 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)

 参加費:800円  予約の必要はありません。

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※12/12(土)愼 蒼宇(シンチャンウ)さん学習会のご案内

 関東大震災朝鮮人虐殺はなぜ起きたか?

 〜朝鮮植民地支配から考える〜

 お 話:愼 蒼宇(シンチャンウ)さん(法政大学社会学部教授)

 日 時:12月12日(土)19時より21時  

 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)

 参加費:800円  予約の必要はありません。

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※上記の集会・学習会では「新型コロナウイルス」対策を致します。

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※日刊メールマガジンへカンパのお願い(年2回)

 メールマガジンを継続・発信するため、また首都圏唯一の

 東海第二原発再稼働阻止などのために、ぜひとも皆さまのカンパを

 お願い致します。

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┗■1.「コロナ対策」のため「原子力防災」は崩壊した

 |  新型コロナウイルス感染症原子力防災

 |  原発事故時には「感染症」と「放射性物質」の

 |  二重の防護が必要になる

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

◎ 今年、新型コロナ感染症が拡大した結果、原発事故時の避難行動に

ついても大きな問題が生じた。

 避難所や避難途中の交通機間内でクラスターが発生しないように密集

を回避しなければならなくなったことと、放射性物質の遮蔽には気密を

保つ必要があるところ、感染防止のためには換気が欠かせないことと

され、相矛盾する対策が必要になった。

 内閣府は2020年11月2日付けで「新型コロナウイルス感染拡大を

踏まえた感染症の流行下での原子力災害時における防護措置の実施

ガイドラインについて」を各道府県原子力防災宛てに発出した。

 そこでは「全面緊急事態(GE)に至った後は、放射性物質による

被ばくを避ける観点から、扉や窓の開放等による換気は行わないことを

基本とする。ただし、感染症対策の観点から、放射性物質の放出に注意

しつつ、30分に1回程度、数分間窓を全開にする等の換気を行うよう

努めること。」と、到底実行できそうもないことが書かれている。

 これは避難用の交通機関及び一時避難所や屋内退避でも実施すると

される。

 放射性物質の防護とはかけ離れた対応と言わざるを得ない。

◎ これをおこなうためには、最低限「プルーム通過中」など空間

線量率を精密に測定できなければならないが、そのような装置はどの

避難所にも置かれていない。

 また、多少は判断の根拠になり得るSPEEDI(緊急時迅速放射能

影響予測ネットワークシステム)は2014年10月8日に、規制委は住民の

避難範囲を決める際、このSPPEDIの計算結果は利用しないと

決めたため使えない。

 「予測手法に頼った防護措置は無理なので採用しない。放出後の気象

条件等の自然条件の考慮は予測困難のため放棄。モニタリングポストで

の実測によって判断する」こととされた。

 しかし、モニタリングポストは避難所にあるわけではない。

 また、資機材の不足(そもそも準備もされていない等)は深刻だ。

 マスク、目の防護(フェイスシールドやゴーグル)、使い捨て手袋、

医療用ガウンなどは、パンデミック時にも大量に不足した。

 原発事故時には感染症放射性物質の二重の防護が必要になる。

◎ 避難途中の交通機関でも大きな問題が生じている。

 避難時のバスの座席についても次のような指示がある。

 「全面緊急事態(GE)以降に、バス避難する場合、十分な間隔を

空け、マスクを着用し、無用な会話や密が避けられない場所での飲食は

控えることを徹底すること。」として乗車レイアウト図が掲載されて

いる。

 そこでは約50人乗りの大型バスで座席の窓側にのみ乗車させることと

し、たった20名しか乗せられなくなっている。これでは避難時に必要と

されるバスの台数が2.5倍になる。さらに発熱者や農耕接触者のある

場合は乗車人員は10名とされている。

 さらに、避難者に避難所等で書かせる「健康チェックリスト」の例も

酷いものである。

 避難者の氏名年齢を書かせた上で、様々な症状がないかを10項目に

わたり書かせ、介護や介助が必要か、障がいの有無、基礎疾患の有無、

てんかんの有無など極めて機微な個人情報も書かせている。

 これを誰がどのように管理するのか、それによっては誰も書きたく

なくなるだろう。

 コロナ禍は、原発事故対応に深刻な問題を投げかけているのに、

内閣府は、このガイドラインだけで対処せよというのだ。

◎ 実際には避難させない!?

 矛盾だらけの原子力防災。

 30キロ圏(UPZ)内だけでなくもっと広い範囲で避難が必要な災害も

起こりえることは規制委も否定していない。

 原子力規制委員会の更田委員長は次のように発言している。

 「防護措置上の判断を予測手法に頼ろうとすると(中略)願望を事実

であるかのように信じ込ませようとするのを「安全神話」と呼んで

いて、これはもう安全神話に過ぎなくて、長年、我が国は世界的に

極めて異例な、ガラパゴス的防災対策を採ってきたために、その安全

神話が広がり過ぎてしまっている部分がありますけれども、UPZや

UPZ外に影響が及ぶような事故において、どういった放射性物質

どれだけ、いつ、放出されることを事前に知ることができるなど

というのは、これは完全に安全神話に過ぎない。当然、願望としては

あり得るでしょうけれども、その願望に基づいて、住民の方の健康に

関わるような判断をするというのは極めて危険です。あり得ないと

思っています。ですので、それであるとか、あるいは、ある方位だけ

防護措置を執ればいいという判断ができると考えることも極めて

危険です。」(2015年4月22日規制委員会議事録)

◎ 30キロ圏の防護範囲を超える事態もあり得ない話ではない。UPZ

の一部で放射性物質が到達しないなと判断することも「安全神話

であると明確に述べている。

 これに対して国は「第4層の重大事故対策があるから外部への放射能

の放出はない。外部への放射能の放出はほぼないので5層(避難)に

おける人への著しい放射線被ばくのリスクは考慮する必要はない。」と

述べている。(国側第13準備書面

 これは事実上広域避難計画の実質放棄である。

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┗■2.原発事故被災地 紙上ツアー

 |  「その11」富岡町3〜大熊町福島第一原発 (下)

 |  中間貯蔵場が最終処分場にされる危険

 |  収束作業は出たとこ勝負の綱渡り

 |  汚染水放出は風評被害ではなく

 |  放射能による人体と環境への実害

 └──── 遠藤智生(あぶくま97条の会)

◇水素爆発で鉄骨 むき出しの一号機

 間もなく「中央台」交差点です。右折すれば、福島第一原発に向かい

ます。途中に検問があるので、一般車両は入れません。沿道には放置

されたままの家屋・事業所が残っており、周辺は中間貯蔵施設が

広がっています。

 福島第一原発が現在どうなっているのか、簡単に説明しましょう。

 1号機は、水素爆発で鉄骨がむき出しになったままです。使用済み

核燃料プールの燃料取り出しに向けて、原子炉建屋上部の保護作業で

大量のがれきを撤去しています。120メートルの高さがあった1、2号機

排気筒は、切断作業がトラブル続きだったものの、今年5月に何とか

作業完了し、半分の高さになりました。

 2号機は、使用済み核燃料を建屋側面から穴を開けて取り出す準備

作業中。また、原子炉格納容器底部に溶け落ちたデブリを取り出す作業

のための準備にも入っています。ロボットアームを使い、まずは2021

年内に試験採取する予定です。

 3号機は、2019年4月からの使用済み核燃料プールの燃料取り出し

作業をいまも継続中。

 4号機(※注5)は、使用済み核燃料プールから1535体に及ぶすべて

の核燃料取り出しが2014年12月に完了しています。3・4号機から

取り出された核燃料は、共用プール建屋のプール内へ移送・保管されて

います。

◇汚染水放出は風評被害ではなく

 放射能による人体と環境への実害

 現在、廃炉の工程は「中長期ロードマップ」の第2期=「燃料デブリ

取り出しが開始されるまでの期間」(〜2021年12月)となっています

が、作業上のトラブルによって工程表は何度も改訂されています。

予定最優先で強引に作業を進められるよりマシですが…。

 国・東電は、「出たとこ勝負」、原子炉の状態をちょっとずつ確認し

ながら、作業を進めるしかないのです。

 元京都大学原子炉実験所助教小出裕章さんも「デブリはおろか、

プールから燃料さえも取り出せないのに、なぜ『30〜40年で事故を

収束させる』と言えるのか、ウソもいい加減にすべき」(※注6)と

明言しています。

 さらに国・東電を悩ませているのが、放射性物質トリチウムを含む

汚染水の処分問題です。

 現在、1〜3号機合計で連日約200トン発生する汚染水からトリチウム

を除去するのは不可能です。

 さらに、日々増え続ける汚染水を貯蔵するタンクを設置するスペース

福島第一原発の敷地内にないから海洋放出させろ、というのが国・

東電の主張。政府は、10月下旬にも「海洋放出」の処分方針を決定

する、と報道されましたが、延期されました。

 福島県の内堀雅雄知事や県内メディアは、「海洋放出は議論を

尽くせ」「地元が納得する説明を」という言動です。

 しかしこれは、トリチウム水放出による環境・住民への影響を問題に

しているのではなく、「これ以上の風評被害を出さないでくれ」、

つまり放射能汚染は問題にしない、という前提に立ったものです。

                      (つづく)

※注

5.4号機も水素爆発を起こしたため、メルトダウンしたとの勘違い

もあるが、震災当時、4号機は炉心の定期検査中だったので、メルト

ダウンはしていない。爆発の原因は、4号機の排気筒の配管が原子炉

建屋から3号機と共通になっていたため、3号機建屋の水素が4号機

建屋に逆流したことが理由。

6.『政経東北』2020年3月号

(2020年11月5日発行「人民新聞」通巻1732号より了承を得て転載)

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┗■3.『開発と公害』生越忠・責任編集

 |  第63号(地下原発特集号)1993年9月発行

 |  在庫が10数冊あります

 |  ご希望の方には送料のみで発送できます

 └──── たんぽぽ舎

 故生越 忠氏(地質学者)が編集・発行していた『開発と公害』の

第63号(地下原発特集号)が10数冊あります。

 ご興味のある方には送料(200円)のみで発送できます。

 主要目次紹介

 反核・反原発シリーズ(第20回地下原子力発電所<続>)

 ◎ふたたび、地下原発の危険性を衝く−地下原発なら地震時にも

  安全という「神話」を打ち破れ! … 編集部

 ◎地下原発第一号の立地点は九州東岸になるか−危険な地下原発

  建設計画をただちに白紙撤回せよ! … 河野近子、生越 忠

 『開発と公害』第63号(地下原発特集号) B5判 268頁

※ご希望の方は、ご氏名、発送先住所、電話番号をメールか電話で

 お知らせ下さい。送料1冊200円。お一人1冊とさせてください。

 たんぽぽ舎の通常メールアドレス nonukes@tanpoposya.net

上記のアドレスが「配信されない」場合は、

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tanpopo3238@gmail.com

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┗■4.東京電力、「時効後も賠償請求に応じる方針を

 |  次期事業計画に」明記へ 福島第一原発事故10年で…

 |  メルマガ読者からの原発等情報1つ(抜粋)

 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)

1.東京電力、「時効後も賠償請求に応じる方針を

  次期事業計画に」明記へ 福島第一原発事故10年で

  12/1(火)17:41配信「共同通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/8bcaafbee47ede9624d5f8dd6ab32c774fd01bb4

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┗■5.新聞より1つ

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 ◆核のごみの持ち込み拒否条例、黒松内(くろまつない)町と

  蘭越(らんこし)町も 町議提案検討 寿都町の動きけん制

 後志(しりべし)管内寿都町原発から出る高レベル放射性廃棄物

(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が始まったことを

受け、隣接する同管内黒松内蘭越両町の一部町議が各町議会に対し、

核のごみの持ち込みを拒否する条例案の提出を検討していることが

1日、分かった。(後略)   (12月2日「北海道新聞」より抜粋)

https://www.47news.jp/national/genpatsu/5557462.html

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