たんぽぽ舎です。【TMM:No3894】地震と原発事故情報−4つの情報をお知らせします

たんぽぽ舎です。【TMM:No3894】

2020年3月28日(土)地震原発事故情報−

                4つの情報をお知らせします      

    転送歓迎

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★1.3月20日は亡くなったテント前ひろば代表の渕上さんの命日

一周忌にあたっての・・・みんなの想い

   テント日誌3月26日 経産省テント前ひろば1807日後より抜粋

★2.福島震災から9年   (下) 

   いまの喫緊の課題は何か−5つ

   福島第一原発廃炉」の姿(形)が決まっていない

   東海第二原発資金支援の問題、耐震性も津波対策も問題

              山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

★3.福島原発デブリ」取り出し 「2号機の次は3号機目指す」

   東電が新計画発表…ほか

  メルマガ読者からの原発等情報3つ(抜粋)   

               黒木和也 (宮崎県在住)

★4.上昌広氏激白 新型コロナ対策で“人体実験”が行われている

   検査が増えない理由は国立感染研が仕切っているから

  専門家に対応丸投げは危険 医療現場の判断を優先すべき

           上 昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)

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東海村内で老朽東海第二原発の再稼働工事が活発化

 東海第二原発の「再稼働工事やめて!署名」を届けよう!

 第4次集約=締め切り…2020年3月31日(火)はもうすぐです。

 (当日までに必着でお願い致します。翌日、提出なので署名数集約など

 事務作業が大変です)

 ◇日本原電本店へ、署名を提出するのは4月1日(水)17時です。

  署名提出と共に、「東海第二原発の再稼働工事やめよ!」

  日本原電本店抗議行動を実施致します。

  皆様のご参加をお待ちしております。

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※3/31(火)学習会にご参加を!「幻想の新型原子炉」〔超高温ガス炉

     (VHTR)と小型原子炉〕

 講 師:後藤政志さん (元東芝原発技術者)

 日 時:3月31日(火)18時より21時 〔講師のお話は19時より〕

 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)

 参加費:800円   新ちょぼゼミ

 ※「新型コロナウイルス」対策として、手指消毒用ボトルを用意、

 机も消毒します。

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※4/1(水)2つの抗議行動にご参加を!

1.とめよう!東海第二原発 20年運転延長・再稼働ゆるすな!

 日本原電本店抗議行動

 日 時:4月1日(水)17:00より17:45

 場 所:日本原電本店前(住友不動産秋葉原北ビル 台東区上野5-2-1)

     銀座線末広町駅4番出口より4分

 共 催:「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」

     「再稼働阻止全国ネットワーク」 TEL 070-6650-5549

2.「第79回東電本店合同抗議」 東電は福島第一原発事故の責任をとれ!

 日 時:4月1日(水)18:30より19:30  

 場所:東京電力本店前(千代田区内幸町1-1-3)

 呼びかけ:「経産省前テントひろば」070-6473-1947

      「たんぽぽ舎」 03-3238-9035

 賛 同:東電株主代表訴訟など137団体

 ※「新型コロナウイルス」が心配されますが、

   手指消毒用ボトルを用意します。

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※4/4(土)山崎ゼミ【延期】のお知らせ

 4月4日(土)の山崎ゼミ「女川原発再稼働の問題点」は

 「新型コロナウイルス」の影響を考慮して【延期】とさせていただきます。

 改めて、日程をご案内致します。ご了承ください。

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┗■1.3月20日は亡くなったテント前ひろば代表の渕上さんの命日

| 一周忌にあたっての・・・みんなの想い

 |  テント日誌3月26日 経産省テント前ひろば1807日後より抜粋

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○ そういえば今日は渕上太郎の命日だ 3月20日(祝) 

(前略)

 やや風があったが、空はすっきり晴れて太陽が眩しい。徐々に日射しが

強くなっていきそうだ。12時半頃には、Oさんがやって来た。そしてレジ

ェンドSさんも登場。腰が痛い痛いと言いながら毎日やってくるSさん。

なかなか真似できないことである。

 今日3月20日は亡くなったテント前ひろば代表の渕上さんの命日である。

そのためか、DVD作成のSさんがやってきてカメラを回す。渕上さんとの思

い出をカメラに向かって話をする。私は渕上さんと2人で行った福島の話

をした。2013年の3.11の前にいわき市福島市、田村町、郡山市、喜多

方市、福島で活動されている方々を訪ね共に旅した思い出を語った。渕上

さんは反原発運動の中にある矛盾や反目を憂い、何とか一緒にやってい

こうと努力されていたのだろうと思う。また、彼と一緒に3泊4日を過ご

す中で改めて知ったことではあるが、極めて物を食べない。朝食で軽くご

飯を食べ、味噌汁とお新香があればいいという。後は昼も夜も食べ物は口

にしない。口にするのは麦酒と爪楊枝ぐらいのものだ。食の細い渕上さん

だったがエネルギッシュな生き方をされていたと思う。

 レジェンドSさんは渕上さんのことを高く評価していた。物静かでみん

なが揉めていても渕上さんの一言で静かになってしまう。不思議な方だっ

たなと言う。そして、決して威張らない。何とも言えぬ雰囲気があったな

と盛んに語る。そんなリーダーを失ったが僕たちだが彼の遺志をついで前

へ進んでいこうと思う。    (S・S)

○今日は若い人が立ち寄ってくれた 3月21日(土)

○淵上さんの墓参りから  3月22日(日)

 早いもので渕上さんが亡くなられてから一年が経った。彼の命日は3月

20日だけど、今日,テントひろばの人などで墓参に出掛けた。春の日曜と

くればどこにいても多くの人に出会う。まして、桜の咲きはじめなら。い

つもなら、と一言、加えなければならない時節であるが。そいえば、今日

はいつもよりは人は少な目であったが街はまだにぎわっていたと言えよう

か。それなりの人はいたといえる。

 僕らはJRの八王子駅から渕上の眠る上川霊園までバスで出かけたのだ

が、霊園もそれなりの人だった。バスの窓から見えた桜も、霊園の桜も咲

き始めだったが、談笑しながら坂道を上りながら、墓前についた。花と線

香でお参りをしながら、それぞれ渕上さんのことを思った。誰からともな

く、もれるような語りで、在りし日の渕上さんの思い出が続いた。僕は彼

と歩いた箱根路のことが自然に浮かんだ。周囲の山が似ていたから。そう

言えば福井の街を歩いたこともあった。渕上よ、時間は速いね、言葉の届

かぬ世界に行ったにしても、君の遺したものは僕らの中に確実にある。そ

れを思い出し偲ぶしかできないのは悲しいけれどね。

 淵上さんは新型コロナウイルスの騒ぎに驚いているのかもしれない。声

を上げられるものなら、例の口調で語っているだろう。片手に麦酒という

姿で。渕上さんよ、オリンピックは中止にはならないが、延期にはなると

思うよ。当然,中止になってしかるべきだがね。「汚染水はコントロール

されている」という欺瞞的報告からはじまったこの「呪われたオリンピッ

ク」が通常に行くはずがない。復興、復興というけれど、それがいかに欺

瞞に満ちたものかは、福島第一原発の現状を見ればいい、と君はいうかも

知れないね。

 新型コロナウイルスは予想もしない形で訪れ、世界の人々を恐怖に誘っ

ているが、渕上さんはどんな風に言うのだろうか。いつもの日本の光景だ

よ、と渕上さんは静かにいうかもしれない。政府や支配層のことはともか

く、僕等、庶民は、少しは変った光景を出現させたい、と渕上さんは例の

静かな口調でいうだろう。そうだね、権力側の対処策に自発的に隷属して

いく振舞いではなく、自分で考え、自由で自立的な振る舞いをと僕も思う。

眠りに誘われるバスの中で渕上さんそんなことをに語り掛けていた。     

               (三上 治)               

 

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┗■2.福島震災から9年   (下) 

 |  いまの喫緊の課題は何か−5つ

 |  福島第一原発廃炉」の姿(形)が決まっていない

 |  東海第二原発資金支援の問題、耐震性も津波対策も問題

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)

4.福島第一原発廃炉」の姿(形)が決まっていない

 ロードマップでは廃炉の完了目標は「30年−40年」とされている。これ

は大きな問題だ。

 そんな時間では出来ないという以前のこととして、そもそも「廃炉の姿」

が決まっていないのだ。

 一般に原子力施設の「廃止措置完了」とは、施設設備を全て撤去し更地

にすることを意味する。しかし福島第一原発の場合はそうではなく、決ま

っていないと東電は説明する。これは、一般原子力施設とは異なる「特定

原子力施設」として福島第一原発が指定されたためでもある。

 特定原子力施設とは、原子炉等規制法第64条の2に規定された「災害

発生により応急措置を講じた後に、特に管理が必要と認める場合は国が指

定する。」に基づく。2012年に福島第一原発事故を受けて一般の原発の廃

止措置と同様に扱えないことから条文が追加された。

 第64条第4項には「特定原子力施設については、その実施計画による

保安又は特定核燃料物質の防護のための措置の適正な実施が確保される場

合に限り、政令で定めるところにより、この法律の規定の一部のみを適用

することとすることができる。」とも規定されており、通常の原発廃炉

の根拠法、第43条の3の33とは異なる廃止計画の策定が容認されている。

 そのため、一般の原発では「解体撤去」が廃止措置完了の姿だが福島第

原発はそれが「決まっていない」となっている。

 しかし最終形が決められないのに「廃止措置完了まで30−40年」を決め

られるはずがない。

 通常の原発でも40年で解体撤去完了は極めて難しい。日本で最も進んで

いる東海原発廃炉処理でも2001年から廃止処理を開始し30年間で全行程

を終わらせるとし、2030年度つまり後10年後に終了予定だが、それまでに

は到底終わらない。

 はるかに困難な福島第一原発は、廃炉の姿も決まらないまま30〜40年で

廃止措置が終わることはない。

 まず、廃炉の形を議論することから始めるべきだ。所要時間は、安全を

第一に考えながら、その中から見いだしてゆくほかはない。おそらく100年

を超えることは覚悟してかかる必要がある。

 このことが整理されないため、汚染水も30〜40年後にはなくさねばなら

ないとか、およそ無茶な話になってしまうのだ。

5.東海第二原発資金支援の問題、耐震性も津波対策も問題

  日本原電の体質はウソで規制委の審査を乗り切ろうというもの

 東海第二原発を所有する日本原電は資金が不足しており、再稼働に必要

な安全対策費用を調達することが出来ないため、他の電力からの支援を前

提として再稼働の認可と20年の延長認可を規制委から受けている。

 資金問題では、規制委が原子炉等規制法第43条3の6第一項第2号に

規定する「経理的基礎」の審査を行う際に、前例にない「資金支援者の意

思を確認する」行為として、東京電力などの電力会社への支援申し込みと

回答を具体的に示すよう求め、それに対して日本原電は東京電力小早川社

長などからの2018年3月30日付の回答書を規制委に提出した。

 しかしこの時点では社長の個人的な意志表明に過ぎず、社内手続きはさ

れていないのに規制委は審査を通してしまった。この時の安全対策費用は

1740億円であり、申請書にも明記されていた。

 その後、安全対策費用は膨れ上がり、報道では「3500億円」とされ、日

本原電も2018年9月に提出した特重の設置費用を610億円と明記した。審査

になかった新たな資金調達が必要なばかりか、審査で見込まれた「1740億

円」が実際の半分以下で、裏付けもない過小な金額であったことも明らか

になった。

 敦賀原発2号機の断層図面を勝手に書き換えていた事件が発覚したよう

に、日本原電の体質はウソで審査を乗り切ろうというもの。

 このような会社の審査は打ち切るべきであり、東海第二原発の審査書も

「ウソで塗り固めていないか」第三者による検証が必要である。

 資金問題だけでなく耐震性も津波対策もだ。

 また、規制委は少なくても、経理的基礎についての審査は改めてやり直

す義務がある。(了)

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┗■3.福島原発デブリ」取り出し 「2号機の次は3号機目指す」

 |  東電が新計画発表…ほか

 | メルマガ読者からの原発等情報3つ(抜粋)

 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)

1.福島原発デブリ」取り出し 「2号機の次は3号機目指す」

  東電が新計画発表

 3/27(金) 21:39配信毎日新聞

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200327-00000108-mai-soci

2.女川原発広域避難計画「再審査を」 石巻の市民団体、

  国に申し入れ書送付

 3/27(金) 10:45配信河北新報

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200327-00000001-khks-pol

3.東海村議会 原子力調査委設置 東海第2の審議も

 3/27(金) 9:00配信茨城新聞クロスアイ

 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200327-00000006-ibaraki-l08

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┗■4.上昌広氏激白 新型コロナ対策で“人体実験”が行われている

 |  検査が増えない理由は国立感染研が仕切っているから

 | 専門家に対応丸投げは危険 医療現場の判断を優先すべき

 └──── 上 昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)

 中国・武漢市が「震源地」だった新型コロナウイルスは世界中に感染

拡大し、「WHO(世界保健機関)」は「パンデミック」を宣言した。

日本でも連日、感染者が増え、「政治決断」の名の下、安倍首相が思い

つきで打ち出す対策は効果に科学的根拠が見えない。感染を判断する検査

件数も依然増えず、国民の不安は募るばかりだ。そんな状況を、内科医の

立場から冷静に分析し、話題を呼んでいるのがこの人。山積する問題の背

景には何があるのか。

◎ ―日本でも感染拡大が止まりません。政府の対策について、どう見て

いますか。特に「一斉休校」は、安倍首相の思いつきと批判が多く上がっ

ています。

 医学的にはあまり効果がありません。「学級閉鎖」にはそれなりのエビ

デンス(根拠)があります。学級閉鎖すると、接触者である子供たちの数

が少なくなるので、伝染する機会が減るのです。しかし、今回は全国一律

ですから流行していない学校まで閉鎖してしまう。すると、子供から教育

を受ける権利を奪ったり、保護者の負担を増やすことになる。この「副作

用」は全ての学校に出てきます。一方、効果については、校内に感染者が

いなければありませんね。政治的メッセージとしては効果があったとは思

いますが。

◎ ―イベントの自粛要請についてはどうでしょうか。

 まず、イベント自粛について効果を検証した事例が過去にありません。

過去の医学論文をほぼ全て収載している米国国立医学図書館のデータベー

スで検索したところ、大型イベントの中止で地域の感染症が減るといった

研究は見つかりませんでした。効果については「分からない」としか言い

ようがないです。純粋な政治的メッセージで、科学的なバックボーンはな

いと思います。

◎ ―3月5日に政府が発表した中国、韓国からの入国制限策については、

「WHO」幹部も「政治的な争いは必要ない」と苦言を呈していました。

 この対策は、医学的なエビデンスに反します。3月に、アメリカの一流

科学誌「サイエンス」で、ボストンの研究者がある論文を発表しています。

1月下旬の武漢封鎖が周囲への蔓延防止に効果があったかを検証した結果、

「ほとんど効果がなかった」「数日間、(感染拡大を)遅らせた程度」と

いうことでした。封鎖した時に、既に周囲に広がっていたのです。ウイル

スが蔓延している状況で、中韓をシャットアウトすることは、科学的に意

味がありません。これも政治的判断なのでしょう。

◎ ―陽性か陰性かを見分けるための「検査」の態勢にも賛否があります。

保険適用されてもなお、日本では検査件数が増えていません。

 日本では、誰でも検査を受けられるようになると、「病院がパンクする」

「院内で感染が広がる」と否定的な意見が多く聞かれます。しかし、いく

らでも対策は取れるはずです。

 韓国はドライブスルー式の検査を実施しました。これなら車内で検査す

るわけですから、感染を広げることはない。また、ネットを通じて患者さ

んに検体を送ってもらい、検査できる可能性があります。そもそも、現在、

実施されているPCR検査に難しい技術は必要ありません。新型コロナの

正体を知る上でも、検査態勢の拡充が肝要です。

・検査が増えない理由は感染研が仕切っているから

◎ ―なぜ検査件数が増えないのでしょうか。

 厚労省の研究機関「国立感染症研究所」が検査を仕切っていることが原

因だと思います。現在、感染研が検体をハンドリングして、一部を外注し

たりしながら取り仕切っています。感染症研究の原資は税金です。これが

もし、一般診療になり、民間のクリニックと健康保険組合、検査会社の仕

事になると、感染研と厚労省はタッチできなくなる。

 患者さんのデータはクリニックと患者が保有します。検査会社は研究所

にデータを横流しできません。感染研は研究する上で極めて重要な臨床デ

ータを取れなくなる。ですから、感染研のキャパシティーの範囲内で、検

査をハンドリングしたいということでしょう。

◎ ―医師の紹介があったにもかかわらず、保健所に検査を拒否されたと

いう声も上がっています。

 あってはならないことですが、これは基本的に「積極的疫学調査」とい

う研究事業の延長線上です。専門家会議の方々が、「こういう基準を満た

した人を検査します」と決めています。治療より研究を優先させているの

でしょう。専門家会議は、コロナウイルスの効率よい研究体制を念頭にお

いているように見えます。

◎ ―今、専門家を中心に行われているのは「治療」ではなく「研究」で

あると。

 例えば、90代のおばあさんが38度の熱を出しても、専門家会議は「2日

間病院に行くのを控えてくれ」と条件をつけています。一部からは「陽性

が判明しても、治療法がないから検査しても意味がない」という指摘もあ

ります。

 しかし、我々医師の考え方は全く違います。患者さんに高熱が出た場合、

コロナウイルスはあくまでひとつの可能性と捉える。まずは脱水になった

ら点滴をします。熱を下げないと体力を失います。

 もちろん、インフルエンザの可能性も探ります。それから、実際に診て

「大丈夫だよ」と話をして、安心してもらう。それが患者さんの立場に立

つということです。

 現行のやり方はあくまで「研究」で、患者ではなくコロナウイルスだけ

を見ているような気がするのです。

◎ ―国の研究機関が患者の治療よりも新型コロナの研究を優先する現状

は、社会で「人体実験」が行われているようなものではないですか。

 はい。今、行われていることは「人体実験」だと思います。患者を見て

いないと思うんです。例えば、高齢者の致死率が高いことが問題視されて

いますけど、介護や高齢者医療の専門の人はひとりも専門家会議に入って

いません。多くが公衆衛生、感染症対策の専門家なのです。

◎ ―恐ろしい話です。医師と研究者・専門家は全然考え方が違うのですね。

 私は「国立がん研究センター」に2001年から2005年まで勤務していまし

た。同センターはがん対策基本法で、研究の司令塔となることが規定され

るほどの機関でしたが、臨床医としては違和感を持つことがままありまし

た。部長の先生が入院を希望した患者に、「臨床研究できないから、あな

たは受け入れられない」と発言しました。こういう発言が問題視されない

というのは、驚きでした。ある意味、病的だと思いますね。

◎ ―そういった環境下で仕事をされ、どう感じましたか。

 役人が仕切っており、「非効率だな」と感じることはありました。病院

長のポジションに臨床経験の全くないキャリア官僚がやってくるのですか

ら。ほんの一部ですが、エリート意識の強すぎる人物もいました。ただ、

大半はみな非常に真面目。悪意がある人もほとんどいません。長年、こう

いう組織の中にいるので分かるのですが、「我々が国を率いねばならない」

と本気で考えているのです。

・陸軍の「伝染病研究所」を引き継ぐDNA

◎ ―上先生は2005年から2016年までは、「東京大学医科学研究所」に所

属していました。同研究所も“体制側”です。辞めて今の立場になったの

は、やはり専門家や研究者に対して違和感を覚えることがあったからでし

ょうか。

 いやいや、純粋に自分のキャリアのことで、年も重ね独立しないといけ

ないと思ったまでです。独立したほうが動きやすいという事情もありまし

たので。東大医科研は国立がん研究センターほど、国べったりではありま

せんでした。ただ、創設者の北里柴三郎以来の長い歴史を感じることが多

かったです。陸軍と密接に関係して、研究を進めてきたのです。

 戦前、「日本のCDC(米疾病対策センター)」とも言える組織は伝染

病研究所です。これが現在の東大医科研と国立感染症研究所です。今回の

専門家会議を仕切る人たちです。同じDNAを引き継いでいると思います。

◎ ―「お国のために」では、患者目線から離れていくのも当然かもしれ

ません。

 専門家の方々は医師免許があっても普段は診療しませんから。こういう

方が主導的に感染症対策を決めるのは、暴走するリスクすらあると思いま

す。テクノクラート(科学者・技術者出身の政治家・高級官僚)が主導権

を握ると、しばしば暴走して第2次世界大戦のようなことになる可能性も

ありますよね。専門家に対応を丸投げするのは非常に危険なことだと思い

ます。医療現場の判断を優先すべきでしょう。

     (聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ

▽かみ・まさひろ 1968年兵庫県生まれ。内科医。東京大学医学部卒。

虎の門病院国立がん研究センター中央病院で臨床研究に従事。2005年

から2016年まで東京大学医科学研究所で、先端医療社会コミュニケーショ

ンシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究。2016年から現職。

     (3月23日「日刊ゲンダイ」デジタルより) 

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