たんぽぽ舎です。【TMM:No3698】地震と原発事故情報−4つの情報をお知らせします

たんぽぽ舎です。【TMM:No3698】

2019年7月13日(土)地震原発事故情報−

               4つの情報をお知らせします

                        転送歓迎

━━━━━━━ 

★1.福島「原発安全神話」から「被曝安全神話」へ (最終回)

   罪に問われない加害者集団の権力組織

   日本が本当の法治国家なのならば

   本当は全員を逃がすべきだと私は思う

   日本が今やろうとしていること、

   今やるべきは被害者の分断ではない

          小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

★2.福島の自主避難者が損害金に抗議 県が家賃の2倍を請求…ほか

  メルマガ読者からの原発等情報2つ(抜粋)

                  黒木和也 (宮崎県在住)

★3.韓国映画『弁護人』が描いた国家保安法

   当時の熱血弁護士・盧武鉉文在寅が後に韓国の大統領に

   「テレビ報道の深刻な事態」連載第2回

                  広瀬 隆 (作家)

★4.新聞より2つ

  ◆原発避難者に税負担は問題

   やみくもに帰還を促し税をむしり取るなどとんでもない

           官林祐治(川崎市多摩区

           (7月13日東京新聞朝刊5面「発言」より)

  ◆原発(福島第一)事故と固定資産税

   「何かが違うわ〜〜〜」 三木義一(青山学院大学長)

         (7月11日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)

━━━━━━━ 

┏┓ 

┗■1.福島「原発安全神話」から「被曝安全神話」へ (最終回)

 |  罪に問われない加害者集団の権力組織

 |  日本が本当の法治国家なのならば

 |  本当は全員を逃がすべきだと私は思う

 |  日本が今やろうとしていること、

 |  今やるべきは被害者の分断ではない

 └──── 小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)

16.罪に問われない加害者集団の権力組織

 日本という国は、国家が原子力の平和利用という夢をばら撒きま

した。原子力損害賠償法や電気事業法など法律的な枠組みをたくさん

作って「原子力発電をやれば金儲けができるぞ」という仕組みを

作って、電力会社を原子力に引きずり込んだのです。(中略)

 そして、福島(第一原発)の事故が起きても、それを進めてきた誰一人

として責任を取っていないし、処罰もされていません。

 東京電力の会長、社長以下、私は全員、刑務所に入れるべきだと

思っていますし、福島第一原子力発電所は安全だと安全審査を合格させ

原子力委員会の委員たちや、政府でも責任のある人達を、刑務所に入

れなければいけないと思います。

 けれども、誰一人として責任を取っていない。取ろうともしないとい

う事になっているのです。(中略)

 日本の人たちも、皆さんも「ああ、なんだ、俺たちだまされていたん

だな」と思っているかもしれませんが、だまされたということでは、

たぶん済まない。やはりそれぞれが、それぞれなりの重い責任があると

自覚しなければいけないと私は思います。(中略)

 福島(第一原発)の事故を許してしまった大人として、自分たちが仮に

被曝をしても、子どもだけは被曝から守らなければいけないと

私は思います。

17.日本が本当の法治国家なのならば

  本当は全員を逃がすべきだと私は思う

 職業人、私のように給料を貰っていた大人は、1年間に20ミリシーベ

ルトという基準がありました。放射線放射性物質を取り扱う場合

には、放射線管理区域以外では使ってはいけないという法律もあり

ました。外部に汚染物を持ち出してはいけないという法律もありま

した。でも、もうどうにもならないような汚染が起きてしまった。

 そんな汚染を引き起こしてしまった国、私は先ほどから犯罪者だと

言っていますが、その彼らは、今何と言っているかというと「現存

被曝」という言葉を使うようになりました。

 どういうことかというと事故は事実として起きてしまった。もう今

現在、汚染はあるので、被曝をしてしまうのはもうあきらめろと彼らは

言い出した。そして汚染地に人々を棄てる、というようなことをやり始

めました。

 法治国家というなら、本当にやるべきことは、法律を守ることです。

 放射線管理区域にしなければいけない場所に、人を棄ててはいけな

いんです。 本当は全員を逃がすべきだと私は思います。一人ひとり

勝手にどこかに逃げろというのではなくて、人々は社会の中で生きて

いる、コミュニティで生きているわけですから、コミュニティごと、

どこかに逃がさなければいけないということを、あの時にやらなければ

いけなかったし、もう遅いけれども、でも、今でも本当はそれをやるべ

きだと私は思います。

 それをやらないまま、被曝は現在あるのだからあきらめろとは、到底

言ってはいけないことだと思うし、そんなことを言う人たちは、徹底的

に処罰しなければいけないと私は思います。

18.日本が今やろうとしていること

 例えば、食べ物に関して何をやろうとしているのか。まず基準を

決める。1キログラム当たり100ベクレルという基準を決め、「この基準

を超えている物は廃棄します。だから危険な汚染物は市場には出ま

せん」と国は言っています。(中略)

 でも、福島の事故が起きる前には、日本のほとんどの食べ物は1キロ

グラム当たり、高くても0.1ベクレルしか汚染されていませんでした。

1キログラム当たり100ベクレルは、事故前の汚染に比べれば1000倍も

高い基準なんです。

 今、福島ではお米の検査をやっています。(中略)

 そのやっている検査も、検出限界、つまりここまでなら測れるという

のが、1キログラム当たり約25ベクレルです。これだって事故前から

比べれば250倍の汚染なんです。(中略)

 今でも、たくさんの食べ物が出荷制限をされています。(中略)

たくさんの食べ物が1キログラム当たり100ベクレルを超えて汚染して

いる。(中略)

 人々は汚染地にどんどん帰らざるを得ない状況に追い込まれています。

 そして、そうなってしまうと、今、福島では、復興が一番大切だと

言われています。福島が安全だということを言わなければいけない。

 ということで、福島県産の食品が安全であることを示すために、学校

給食に福島県産の食べ物を使うということをやっています。

 また、6号線という道路があって、(中略)その道路を開通させること

を正当化するために、強度の汚染区間ではないけれど、学童を動員して

清掃作業をする、ということもやっています。(中略)

 風評ではなく事実として、福島を中心に広大な大地が放射線管理区域

にしなければいけないほどに汚れているんです。汚れから人々が被曝し

て危険を受けている。

 「守ろう」というなら、「放射能から」と言うべきだと私は思い

ます。でも、そう言えない状況になっているわけです。

 棄てられてしまった人たちが、なんとか福島を復興しようとして、

今、苦闘しているんです。(中略)

 その場所で,汚染を心配し、被曝は嫌だと思い、可能なら子ども

たちを保養に出したい、というようなことを言うと、復興の邪魔だと

非難されてしまうという状態になっている。(中略)

 ある女性は「子供を守りたい一心で避難している私たちは、復興の

妨げなのでしょうか」と問いかけた。

19.今やるべきは被害者の分断ではない

 (前略)本当に処罰しなければいけないのは、原子力発電を進めてきた

人たちだし、福島(第一原発)の事故を起こした責任者たちなんです。

 それなのに放射線が危険だというやつが悪いということを言い出し

ています。

 強制避難させられて、ふるさとを追われた人はもちろん被害者です。

 汚染地に捨てられて、今、復興を目指している人も被害者です。生活

や家庭の崩壊を覚悟で、自主的に避難している人だって被害者です。

その人たちが分断され、お互いに非難し合うようにされている。(中略)

 本当に必要なことは、被害者には多様な苦悩があるということを、

お互いに認め合うことです。

 逃げられない人はもちろん苦悩を抱えている。

 何とか逃げた人だって、苦悩を抱えている。

 非難し合うのではなくて、それをお互い認め合って、助け合って、

 加害者と闘うということが本当は一番大切なことだし、次の被害を

 生まないためにも、それが必要だと思います。

   (「DAYS JAPAN」2018年・8月号増刊号より抜粋)

┏┓ 

┗■2.福島の自主避難者が損害金に抗議 県が家賃の2倍を請求…ほか

 | メルマガ読者からの原発等情報2つ(抜粋)

 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)

1.福島の自主避難者が損害金に抗議 県が家賃の2倍を請求

  7/12(金)14:47配信「共同通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190712-00000089-kyodonews-soci

2.異常に高濃度の放射線、通常の80万倍の放射性セシウム

  沈没したソ連の原潜から流出 ノルウェー

  7/12(金)10:15配信「CNN」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190712-35139830-cnn-int

┏┓ 

┗■3.韓国映画『弁護人』が描いた国家保安法

 |  当時の熱血弁護士・盧武鉉文在寅が後に韓国の大統領に

 |  「テレビ報道の深刻な事態」連載第2回

 └──── 広瀬 隆 (作家)

「テレビ報道の深刻な事態」を計10回配信予定で、スタートしました。

 「AERAdot.」毎週水曜日午後4時アップです。

第1回7月3日(水)韓国映画『タクシー運転手』に対する熱狂と感涙

第2回7月10日(水)韓国映画『弁護人』が描いた国家保安法

第3回7月17日(水)、第4回7月24日(水)

第5回7月31日(水)、第6回8月7日(水)、第7回8月14日(水)

第8回8月21日(水)、第9回8月28日(水)、第10回9月4日(水)

以下、第2回「韓国映画『弁護人』が描いた国家保安法」より抜粋

 これは韓国で有名な学林事件であった。学林とは、首都ソウルの繁華

街にあって、学生たちが集まったカフェの学林茶房のことで、クーデ

ターで権力を握った軍部が、光州事件で爆発した学生運動を弾圧しよう

と警察力で襲いかかったのがこのカフェであった。

 共産主義者の取り締まりを名目に、すべての学生運動団体を反国家

団体と規定するほど国家の圧政的暴力が横行していたので、それに反発

した全国の学生連盟が学林茶房で最初の会合を持ったところで、参加者

が逮捕されたのだ。

 警察が、学生と労働運動家24人を連行し、水や電気で拷問を加えた

後、彼らに「国家保安法」違反の罪で懲役2年から無期懲役までを科して

投獄したのだ。

  (中略)

 近年2013年に公開された韓国映画『弁護人』はこの事件を描いて、

観客動員数が1100万人を超える大ヒットとなった。

 なぜこの映画が多くの韓国人を呼び寄せたかといえば、これらまった

く無実の民主化運動の学生に対して、釜山で無償で弁護を買って出たの

がのちの大統領で、若き弁護士時代の盧武鉉ノ・ムヒョン)であり、

彼をモデルにした伝記映画が『弁護人』だったからである。(中略)

「すべての権利は国民にある」  (中略)

 一連の「学林事件」ですさまじい拷問を受け、有罪となった無実の

学生たちに対して、ほんの10年前の2009年に開かれた韓国の再審で、

彼らは「無罪」の宣告を受けた。

 さらに翌2010年12月には、ソウル高等法院が学林事件の再審で

「無罪」および「免訴」を判決し、判決文の中で「司法部の過誤に

よって被告人に苦痛を負わせたことに対して謝罪する。

この判決がわずかでも慰めになることを願う」と裁判所が冤罪を謝罪し、

2012年6月の最高裁(大法院)でこの事件に対する再審判決が下され、

「無罪が確定」したのである。

 その時、盧武鉉はこの世にいなかった。(中略)

すべての日本人が見ておくべき名作映画  (中略)

 盧武鉉文在寅(盧武鉉と共同で弁護士事務所を開いていた)はこの

学生を追悼する会を準備して警察に連行されながら、6月10日(1987年)

から盧武鉉文在寅の2人が設立した釜山民主市民協議会が中心となっ

民主化運動を全国的に展開し、およそ1カ月にわたって韓国全土で

500万人余りが参加し、韓国史上で歴史的な「六月民主抗争」を巻き

起こした。

 この抗争の結果、10月に「軍部独裁ではなく、大統領を国民が直接

選ぶ」という権利を勝ち取って、大統領直接選挙制と、基本権・人権の

保障の拡大・強化を規定した新憲法が公布されることになり、20年後の

2007年に、韓国の民主化が始まった日として「6月10日を国家記念日と

する」ことになったのだ。

 このような熱血弁護士2人を大統領府・青瓦台(チョンワデ)に

迎えることになるとは、韓国の国民自身も想像した人は誰もいなかった

であろう。

 現在の朝鮮半島で何が起こっているかを知るため、すべての日本人が

これらの名作映画を見ておくべきだと思う。

 映画館の観客も一体になって、政界を変えてゆく力を持っているのが

韓国民である。彼らのダイナミズムは、果てしない。

 (7月10日16:00「AERAdot.」より抜粋)

https://dot.asahi.com/wa/2019071000048.html?page=1 

┏┓ 

┗■4.新聞より2つ

 └──── 

 ◆原発避難者に税負担は問題

  やみくもに帰還を促し税をむしり取るなどとんでもない

官林祐治(川崎市多摩区

 7日1面、東京電力福島第一原発事故避難者の固定資産税が2022年度

から今の6倍程度に上がる恐れがあるとの報道に、驚きと憤りを禁じ

得ない。

 私の古里は未だに全町避難が続く双葉町だ。近隣町村は避難指示

解除が徐々に進むが、戻る人は少ない。

 事故が収束しておらず、仕事がなく、病院、商店など生活インフラの

整備が不十分で、暮らすに暮らせないからだ。特報面で静岡県内で避難

生活を送る被災者の苦境をルポしていたが、税を国や東電が負担すべき

だとの声はもっともだ。税より先に、まず国や東電が古里を事故前の

状態に戻すことが先ではないか。

 やみくもに帰還を促し、税をむしり取るなどとんでもない話だ。

 掛け声だけの復興の陰に古里の人びとの苦しみがかき消されてしま

わないか、心底、心配だ。 (7月13日東京新聞朝刊5面「発言」より)

 ◆原発(福島第一)事故と固定資産税

  「何かが違うわ〜〜〜」  三木義一(青山学院大学長)

 東日本大震災により住宅が滅失・損壊した敷地(被災住宅用地)の固定

資産税が跳ね上がる、という本紙の報道(7日朝刊)。日本の固定資産税

では、住宅の敷地は更地の場合よりも負担が軽い。住宅敷地は生活のた

めに利用しているのに対し、更地は生活のために利用しているのではな

いので、その保有者は余力があると考えられているからである。

 しかし、震災で住居を失い、そのままにせざるを得ない被災者の負担

能力が高いと考えるのは酷だ。そこで、住宅がある場合と同様の軽い

負担にする特例が震災直後に定められた。

 しかし、期限がついており、2021年度分までで、延長されるかどうか

現時点では未定だ。10年という期間限定は、この程度の時間で元に収ま

ると楽観視していたためと思われる。復興特別所得税も当初の法案では

4%10年間だったが、3党合意で25年間に延長されていることも考える

と、特例も延長すべきであろう。

 なお、原発事故で避難指示等を受けた地域の土地等については固定

資産税が免除されている。これは当然だが、避難が解除されたからと

いって、戻って来た人や戻れない人々に課税して良いのだろうか。

 「何かが違うわ〜〜〜」(山口百恵「ロックンロール・ウィドウ」

阿木燿子作詞)の歌詞が頭を駆け巡る。

      (7月11日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)

────────── 

☆ひきつづき、たんぽぽ舎の活動・日刊メルマガ=「地震原発

 故情報」へのカンパを受け付けていますので、よろしくお願い致

 します。

  郵便振込 加入者名 たんぽぽ舎 口座番号 00180-1-403856

☆《事故情報編集部》より

 メールマガジン読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他

 投稿(「川柳・俳句・短歌」など)を歓迎します。

1.「投稿」のテーマは、「原発問題」が中心軸ですが、エネルギー、

 自然、政治・経済、社会、身近な生活も歓迎します。

2.原稿に「見出し」をつけて下さい。(「見出し」は1行見出しよりも

 2行又は3行見出しの方が読む人にとってわかりやすい)

 執筆者名(基本的に本名でお願いしています)と執筆者名の後にかっこ

 書きで「所属・団体名」か「在住県名」を記載して下さい。

 例:たんぽぽ花子(たんぽぽ舎)、たんぽぽ太郎(東京都千代田区在住)

3.「集会・デモ・講演会等のお知らせ」の投稿に関しては、どの団体・

 グループも平等に掲載する基本方針です。

 そのため日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先など

 必要事項を400文字以内でお送り下さい。

 件名に「イベント案内掲載希望」と明記して下さい。

 日程が直前にならないよう余裕を持っていただけると幸いです。

 メールマガジンへのイベント案内は1回だけの掲載とさせていただきます。

4.集会や行動の参加報告等に関しては600文字以内で、タイトル(見出し)

 及び本文をお送り下さい。件名に「メルマガ掲載希望」と明記して下さい。

「投稿」の送付先はたんぽぽ舎のアドレス「 nonukes@tanpoposya.net 」です。

なお、お送り頂いた投稿は紙面の制限上掲載できない場合もあります。

ご了解下さい。

────────── 

 ◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページの「メルマ

  ガ:地震原発事故情報」をご参照下さい。

 ◆メールマガジンをお送りします

  たんぽぽ舎では、「地震原発事故情報」(メールマガジン)を

  発信しています。

   ご希望の方は、件名を「アドレス登録希望」として、ご自身の

  Eメールアドレスからご氏名とともにたんぽぽ舎あてにメールを

  送ってください。

   違うアドレスから「こちらのアドレスに送って」ということは

  間違いの元となりますのでやめて下さい。

  登録できしだい発信致します。

 ・配信先のアドレス変更のご連絡は「旧アドレス」もお知らせ下さい。

 ・配信削除につきましても以下のアドレスに直接メールを下さい。

  たんぽぽ舎のメールアドレス: nonukes@tanpoposya.net

 ◆携帯電話への送信は、容量が多いためか全文表示できない例があり

  ます。

────────── 

たんぽぽ舎は、月曜〜土曜13:00〜20:00オープン、

       日曜・休日はお休みです。

   〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-6-2

              ダイナミックビル5F

       TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797

       新HP http://www.tanpoposya.com/

       郵便振込 加入者名 たんぽぽ舎

   口座番号 00180-1-403856