たんぽぽ舎です。【TMM:No3651】地震と原発事故情報−4つの情報をお知らせします

たんぽぽ舎です。【TMM:No3651】

2019年5月20日(月)地震原発事故情報−

               4つの情報をお知らせします

                        転送歓迎

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★1.「特重施設」建設遅れ 多々ある問題を整理する

   地元自治体にとって明確な約束違反

   「特重施設」はテロ対策でもバックアップ施設でもなく

   福島第一原発事故を繰り返さないように国会事故調や

   政府事故調に指摘された問題を解決するために

   原子力規制委が要求した施設

             山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)

★2.「マスメディア改革のために」

   「民衆と共にあるジャーナリズムの創成を」 連載・第1回

              浅野健一(フリージャーナリスト)

★3.福島第一原発事故、風化させぬ「現代人の苦悩」を描き続ける

  東海第二原発の再稼働に危機感を持つ…ほか

  メルマガ読者からの原発等情報2つ(抜粋)

                 黒木和也 (宮崎県在住)

★4.新聞より2つ

  ◆除染土処理に「待った!」意見聴取会 非難相次ぐ

   「住民分断」「扱い いいかげん」再利用・埋め立て 環境省が本腰

   元規制委トップ田中俊一氏 議論否定?「応援するのは当たり前」

   被災地議員「何度も開いて」

     (5月20日東京新聞朝刊18-19面「こちら特報部」より抜粋)

  ◆箱根山 警戒レベル2 火山性地震急増

                (5月20日千葉日報より抜粋)

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※5/30(木)鎌倉孝夫さん講演会にご参加を!

 「朝米首脳会談〈合意ならず〉の背景と今後〜

  朝鮮半島の平和に向けて」

 お 話:鎌倉孝夫さん(経済学者・埼玉大学名誉教授)

 日 時:5月30日(木)19時より21時

 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)

 参加費:800円

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※6/3(月)学習会にご参加を!

 「電力容量市場と容量メカニズム」〜

  老朽化原発・石炭火力の経済的延命策か!?

 講 師:松久保 肇さん(原子力資料情報室事務局長、研究員)

日 時:6月3日(月)18時より21時 新ちょぼゼミ第28回

会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)

参加費:800円(学生400円)

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┗■1.「特重施設」建設遅れ 多々ある問題を整理する

 |  地元自治体にとって明確な約束違反

 |  「特重施設」はテロ対策でもバックアップ施設でもなく

 |  福島第一原発事故を繰り返さないように国会事故調や

 |  政府事故調に指摘された問題を解決するために

 |  原子力規制委が要求した施設

 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)

◎そもそも「特重施設」とはどんなものか

 特定重大事故等対処施設「特重施設」とは、新規制基準の策定に根拠を

持つ新たな「過酷事故対策施設」です。

 この施設は私たちが要求したものではなく、原子力規制委員会が政府

事故調や国会事故調により指摘された課題を解決するために必要として、

各事業者に設置を義務づけたものです。

 もともとは新規制基準の告示5年に完成していなければならないもの

でした。

 これを5年先送りしたのは、経産省や事業者の圧力に屈したものと

思っています。

 「特重施設」を義務づけたのは規制委であり、私たちでも自治体でも

ありません。

 これらを整備したら過酷事故の緩和策として機能するから、福島第一

原発からの放出放射能量の100分の1以下とされています。

 ただし、セシウム137の放出量として。これは最悪の事故(想定され

る格納容器破損モード)が起こった場合の新規制基準の要求は100テラ

ベクレル(100兆ベクレル)以下、これが福島第一原発事故の100分の1

程度という意味です。

九州電力による「特重施設」の説明は次の通り

*規制基準において、原子炉補助建屋等への故意による大型航空機の衝突

その他のテロリズムにより、原子炉を冷却する機能が喪失し炉心が著しく

損傷した場合に備えて、原子炉補助建屋等との離隔距離をもつ、又は頑健

な建屋を設け、その建屋の中に原子炉格納容器の破損を防止するための

機能を有する施設を収納することが要求されているもの。

☆問題点「1」テロ対策を口実として情報不開示により詳細が不明に

 「特重施設」は日本中未だ一つも出来ていません。しかも、審査を

通過した川内原発のものですら、何の情報も明らかにされていません。

 資料については「特定重大事故等対処施設に係る工事計画の審査の

進め方について」を踏まえ、非公開との記載が随所にあり、具体的な図面

や設計仕様は分かっていないものが多く、使い物になるかどうか判断でき

ませんから、こういった情報を一切開示しないものは使用に耐えない、と

思うほかありません。

 なお、九州電力による説明は以下の程度です。

 「特定重大事故等対処施設の主な設備は、以下のとおり。」

                 (各号機に設置)

1.特定重大事故等対処施設の設置

イ.原子炉冷却材圧力バウンダリを減圧操作するための設備・窒素

ボンベ(加圧器逃がし弁用)(特重)を設置

ロ.原子炉内の冷却及び原子炉格納容器内の冷却をするための設備・

代替注入ポンプ、多目的貯水槽等を設置

ハ.原子炉格納容器の過圧破損を防止するための設備・フィルタベント

を設置

ニ.水素爆発による原子炉格納容器の破損を防止するための設備・特定

重大事故等対処施設静的触媒式水素再結合装置を設置

ホ.特定重大事故等対処施設の機器へ電力を供給するための専用の電源

設備・ガスタービン発電機等を設置

ヘ.特定重大事故等対処施設として設置した機器を制御(操作・監視)

するための設備・緊急時制御室を設置(1,2号機共用)

2.常設直流電源設備の設置(各号機に設置)

 現在設置済である常設の直流電源設備に加え、もう1系統の特に高い

信頼性を有する電源設備の設置が要求されているため、常設直流電源

設備(3系統目)を設置する。

3.緊急時対策所の変更(1,2号機共用)

  (いわゆる免震重要棟を設置する方針を止めてしまった施設。)

4.受電系統の変更(1,2号機共用)

 これら個別の機器類の図面はもとより、性能や仕様書は一切明らかに

されていません。

☆問題点「2」電力会社の位置づけの不明確さが議論を混乱させる

 電力会社は「特重施設」をテロ対策、あるいはバックアップ施設と

説明し、現在運転中の原発でも規制基準適合性審査において安全性は確保

されているとの認定がされているから、「特重施設」はなくても問題が

ないとの立場を取っています。

 これは大きなウソ。

 「特重施設」はテロ対策でもバックアップ施設でもなく、福島第一

原発事故を繰り返さないように、国会事故調や政府事故調に指摘された

問題を解決するために規制委が要求した施設です。

 これら施設がなければ、安全対策が不十分であり、そのため福島第一

原発事故を再発させない保障がないことになります。これは明確な約束

違反です。

 施設の実効性以前に、自分たちがした約束に反しているのですから、

運転停止は当然のことです。

 位置づけのすり替えを許さず、明らかにさせる必要がありそうです。

☆問題点「3」地元自治体にとっては明確な約束違反

 再稼働を認めるにあたり地元の自治体には福島第一原発事故のような

事故を起こさないこと、そのために「特定重大事故等対処施設」を

つくって、安全性を向上させることを宣伝していたはずです。

 これが完成しないまま、未だに運転を続けること自体、重大な約束違反

のはずです。

 このうえさらに期限までに作れないと、堂々と表明するのですから、

直ちに運転を差し止めるべく、地元自治体は動くべきです。

 そのような意味でも、自治体の長や議会は、原発の運転の是非について

立場と考えを明らかにすべきだと思います。

 そのような趣旨での働きかけも必要です。

《事故情報編集部》より補足

原発賛成の読売新聞が、5月19日(日)朝刊17面「サイエンス

Report」で、 「特重施設」について1頁の全頁をさいて

報道しています。

 見出しは「原発テロ対策 迫る期限…再延期認めず 工期遅れ 停止

不可避か」

 記事の要点は、前段で、どこの原発も「特重施設」建設が期限までに

間に合いそうにないこと、後段で、「特重施設」の目的は東電福島第一

原発事故を再びくり返さないため、現行の原発の安全性を格段に高める

ために、国会事故調などの指摘を受けて作られることになった(テロ対策

が主目的で作られることになったのではない)−とその経過・目的を比較

的正確に述べています。ぜひ、ごらん下さい。

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┗■3.「マスメディア改革のために」

 |  「民衆と共にあるジャーナリズムの創成を」 連載・第1回

 └──── 浅野健一(フリージャーナリスト)

 メルマガ編集部から週1回のペースで、「いま、マスコミが一番悪い」

という「浅野さんの思い」をコラムにして書いてほしいという依頼が

あった。

 5月12日「スペースたんぽぽ」で開かれた木幡ますみさんの会で、

私が「多くの人たちが原発に反対しているのに、安倍政権が原発再稼働を

強行できるのは、権力を監視すべき報道機関が機能していないからだ。

人民はマスメディアへの批判を強めるべきだ」と言った翌日の

ことだった。

 私は5月14日夜、成田を発って「原発事故から33年のチェルノ

ブイリ」を取材するためウクライナに来ている。

1.民主主義の国では、政財界を監視するために存在するのが「学会、

労働団体、報道機関」の仕事だ。

 ところが、日本では「学者、労働組合、企業メディア」が権力と癒着

し、一体となっている。

 「政・官・財・学・労・報」が「鉄の六角錘」を構成し、人民を

抑圧しているのだ。

2.カレル・ヴァン・ウォルフレン氏が『日本 権力構造の謎』で、

「日本人が幸せになれないのは、大学とメディアが機能していない

からだ」と書いたのは1990年だった。

 あれから約30年の今、情況は悪化している。

 共同通信記者を22年、同志社大学大学院教授を20年務めフリー

ジャーナリストになった私は、記者と学者のだらしなさを実感している。

3.2012年末に二度目の首相になった安倍晋三氏に政治家の資質など

ないことは、誰にでも分かる。

 安倍氏の地元で乗るタクシーの運転手のほとんどは「安倍さんは

知識もなく血縁がなければ生きていけない人間だ」などと批判する。

 安倍氏東条英機内閣の商工相で元A級戦犯である祖父の岸信介元首相

を尊敬している。安倍氏皇国史観を信じ、台湾・朝鮮への侵略と

強制占領、アジア太平洋戦争の加害性を認めない。

 そんな人間が長期間権力を持ち、内閣支持率が50%を超え、自民党

支持率も40%を超えている。悪夢のような日々だ。

4.“モリ・カケ”疑獄だけでも政権が吹っ飛んでもおかしくなかった。

公文書の隠蔽・改ざん、閣僚妄言などが相次いでも、安倍政権は生き

延びた。

 公安警察・経産官僚、日本会議靖国神社神社本庁)などが安倍

官邸を支え、情報統制システムを完成させている。

 安倍官邸は「電通」・「博報堂」に情報操作を依頼し、企業メディア

の経営者と編集幹部を定期的な会食、新聞の軽減税率などで取り込み、

日本にしかないキシャクラブ制度(1930年代に誕生した情報カルテル

を強化して、人民に不都合な真実を伝えない大本営発表報道体制を

作り上げた。

 4月から続く天皇交代・新元号報道はこの国の企業メディアにジャー

ナリズムは存在しないことを証明している。

5.私が1989年から92年まで特派員をしていたインドネシアスハルト

政権と安倍政治は酷似している。

 米国は共産党に近かったスカルノ大統領を潰すため、無名のスハルト

将軍に軍事クーデターで権力を奪取させた。ゴルカルという職能政治団体

を中心に情報統制を敷いた。

 形式的には民主主義だが、実態は、異端を排除する徹底した縁故主義

利益誘導体制だった。30年以上続き盤石と思われていたスハルト体制は

1995年、労働者、学生の蜂起で崩壊した。

失脚したスハルト氏は訴追を免れたが、家族数人が投獄された。

6.民衆が決起する以外に安倍政治を倒す方法はない。

 本来、ジャーナリズムは民衆運動と共に進まなければならない。

 日本に、人民のためのジャーナリズムを創成したい。

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┗■3.福島第一原発事故、風化させぬ「現代人の苦悩」を描き続ける

 | 東海第二原発の再稼働に危機感を持つ…ほか

 | メルマガ読者からの原発等情報2つ(抜粋)

 └──── 黒木和也 (宮崎県在住)

1.福島第一原発事故、風化させぬ「現代人の苦悩」を描き続ける

  東海第二原発の再稼働に危機感を持つ

  日立市の洋画家・川井雅樹さん

  5月19日東京新聞【茨城】

https://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201905/CK2019051902000153.html

2.台湾初の商用洋上風力発電、建設進む 年末にも竣工へ

  設備容量128メガワットへ

  5/19(日)17:28配信「中央通訊社フォーカス台湾」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190519-00000003-ftaiwan-cn

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┗■4.新聞より2つ

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 ◆除染土処理に「待った!」意見聴取会 非難相次ぐ

  「住民分断」「扱い いいかげん」 再利用・埋め立て 環境省が本腰

  元規制委トップ田中俊一氏 議論否定?「応援するのは当たり前」

  被災地議員「何度も開いて」

 東京電力福島第一原発事故で生じた膨大な量の除染土を巡って、環境省

が再利用や埋め立て処分に御熱心だ。汚染された土を拡散させたり、改め

て埋めたりすることへの反発にもどこ吹く風。

 今春には手引案などをまとめ本腰を入れようとしている。13日に東京

都内であった意見聴取会では、そんな動きに非難が相次いだ。元原子力

規制委員長の田中俊一氏も出席したこの会合で、どんな訴えが

あったのか。(榊原崇仁) (中略)

 大熊町の木幡ますみ町議は違う考えだった。「(除染土の後始末は)

孫や子どもに関わる。他の原発で同じ状況が生まれたらどうするかと

いう問題もある。そこを含めて考えないといけない。だから何度も何度

も、福島でも意見聴取会を開いてほしい」と願った。

    (5月20日東京新聞朝刊18-19面「こちら特報部」より抜粋)

 ◆箱根山 警戒レベル2 火山性地震急増

 気象庁は19日、神奈川県の箱根山で18日から火山性地震が急増し、

火山活動が高まっているとして「火口周辺警報」を発表し、噴火警戒

レベルを1の「活火山であることに留意」から、2の「火口周辺規制」

に引き上げた。(中略)

 大涌谷周辺を通る「箱根ロープウェイ」は19日の終日全線運休を

決めた。(後略) (5月20日千葉日報より抜粋)

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